日本アタッチメント育児協会 認定トレーナー
島田恭子 講師 インタビュー

島田恭子講師インタビュー

乳児院の施設長をされながら、当協会の認定トレーナーとして活動を続けておられる島田恭子講師に、当協会の資格を取得された頃の想いと、その後の活動の広がりについてお伺いしました。

(インタビュアー:廣島大三)

自分の子どもが本当に愛おしい」
この子が生まれて本当に良かった」
……そう思う瞬間を味わってほしい

『アタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター養成講座』を受講されて、ご自身に変化はありましたか?

最初の講座を受けて、「まだ奥がある、まだ奥がある」ということで、どんどん自分で学びたいという向上心が湧いてきました。それで、「生命の科学って何なんだろう」ということで、これから先それを求めて、(長生きしたくなかったんですけど)長生きして、「あぁ、これが私の人生かな」というものを見つめたいかなと思えるようになりました。

生命の科学...アーユルヴェーダですね。
島田先生は凝っている時はガッとそこに向かうタイプですか?

あぁ、そうですね。

ここまでか、というところまで行って、そして後は頂点を見つけていき、幅を広げていきたいと。

メタ認知ですね。

メタ認知:認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。

島田先生の場合はアタッチメントという側面においては、現場での経験もあり、 知識ももちろんありという状態だったと思うのですが、それらとベビーマッサージとの結びつきというのはどのような感じだったのですか?

地域のお母さんたちに支援をしていくためということで、ベビーマッサージが愛着形成にいいということを聞いて、実際にやったことがなかったものですからやってみたいということですね。マッサージ自体を勉強したいと思ったのは。

『アタッチメント・ベビーマッサージ』は、「子育て」につながっていくような内容だったと思うのですが、島田先生の見ていた「アタッチメント」は、「子育て」という側面とは異なった部分で見ていたところもあるのかなと思うんですが、その辺りは一致していたのですか?

一致といいますか、地域支援ということではなくて、実際に児童福祉の分野で今問題にされている虐待対応などで、長年、法律でもそうですが、虐待防止の観点で「虐待はしてはいけない」「禁止」といわれるばかりなんですね。

それを聞いていると、本当に子育てをしているお母さん、お父さんが自分たちの子育てを否定されてしまいますので、「思っているんだけれども形に変えることができない」というようなところで、「禁止」ではなく「虐待にならないためにはどうしたらいいんだろう」と思い、 子どもの権利などについて見直していました。

それで、子どもたちには「生きる権利」があり、「成長する権利」があり、 そして特に(アタッチメントもそうですけれども、)生後1年間は自分で歩くことができないから、大人から、社会から「守ってもらう権利」があるのだと思いました。

それを3つ満たされて初めて社会人として地域に参加できるんだということを、事々会う方々にお話をしてきたんですね。 その中の一つとして、実際に手法としてマッサージをつなげて、というように考えるようになったんですね。

そのことを考えながら、その地域のお母さんたちにマッサージ教室を開いた時にですね、やればやるほどベビーマッサージは手法ではなくて、お母さんの暖かい気持ちが子どもにどのように伝わっていくか、というような時間を大切にするんだ、ということをわかるようになってきたのです。

それで、お母さんたちには「マッサージ」という手法ではなくて、お母さんとお子さんの楽しい時間、「自分の子どもが本当に愛おしい」「この子が生まれてきて本当によかった」と思う瞬間を味わってくださいというようにお話したんですね。

島田恭子講師インタビュー

実際に、第一回目の講座はお話をして、とにかく赤ちゃんがぐずったら抱いてください、赤ちゃんが遊びかけたら追いかけないで見守ってください、というようなお話をしたのです。

そうしましたら、何人か集まった中で、泣くから抱きしめて、そして母乳がある方は母乳を含ませてください、というと30分間本当に抱っこして授乳だけで終わってしまったお母さんがいらしたのですね。

それで、そのお母さんが最後に「何だか今日は母乳を飲ませに来ただけだった」と言って帰られたんです。それで、2回目3回目といらっしゃらなかったので、そのお母さんはもう来られないのかな、と思ったのですよ。
「母乳の時間だと思って諦めて、いらっしゃらないのかな」と。そしたら、そうではなかったのですね。

お子さんがお病気になってしまって来られなかったということで(4回の教室をやって、その4回目の)最後の時にいらして。それで全部ですね、最初から全部お教えしたのです。そうしたら、2回欠席をしているのですが、4回参加した方と同じようにマスターできたことから、やはり、お母さんの気持ち次第であって、 何回やれば技術がいいから、ということではないのだな、と。 最初のあの「あ~授乳だけだった」って言ったお母さんが最後はほっこりして帰っていただけたので、お伝えしてよかったなと思いました。

やっぱり、そういうことはベビーマッサージ教室をお母さんに実際にやってみて、得た部分や発見した部分というのは大きいですか?

そうですね。お母さんたちから学ばせていただくというか、お母さんたちが本当に自分のお子さんに満足をするといいますか。協会でアファメーションを習うのですが、いかにして「これがアファメーションですよ」とかということではないんですね。

お母さんたちにも「マッサージ」ということではなく、「1日最初5分でも、3分でも、1分でもいいですから、 挙句の果てには私がお教えするこのアファーションだけでもいいですから」ということでお話をしています。

アファメーションに大きな栗の木の下でという歌を作りながら、ストレッチを入れながら、最初と最後にするんですね。
それで、それをすると、1回目や2回目に受講するお母さんたちよりも赤ちゃんたちが、大きな栗の...…の「お」が始まると、一斉に(何回やってもそうなのですが)赤ちゃんたちの天使のような笑顔というか、みんなが一斉に深い呼吸をするというか……。

合図がわかるのですね。それはすごいですよね。

そうですね。赤ちゃんに教えているのではないのですが、赤ちゃんたちはその空気と気持ちを受け止めてくれます。

それを楽しい時間として受け取っているからこそですよね。
その安心した感じというのは。

そうですね。

(島田先生は、乳児院の院長をされながら)横浜の文化教室でもやられていますが、文化教室などの公の場と、ご自身の場との違いはありますか?

文化教室が今の(上記のインタビュー内容)なんです。

それでは、場所は全く関係ないという感じですね。

2週間に1回ですから……忘れるのですよ。
そんな中ですけれども、 赤ちゃんたちはそうなんです。

2週間に1回でも、大きな栗の……「お」ってすると、赤ちゃんたちが「みんな、始まるよ!」となるんです。多分赤ちゃんと、お母さんと、私の気持ちが一致するから、その効果があるんだと思いますね。

あぁ〜、こうすればいいんだ!」
参加された方々がもともと持っているものを
さらに高める「気づきの講座」

『育児セラピスト 認定講座』受講後の、ご自身の活動の広がりを教えていただけますか。

島田恭子講師インタビュー

 

専門学校で学生にも話す機会があるのですが、いわゆる引き出しが増えました。講座の内容を全部いただくわけじゃないんですが、(講座の中で学んだことを)ワークに持っていくことですね。

ですから、学生たちに何年か大体同じ内容を教えるのですが、(自分としては)学生たちの興味が変わってくるというか、授業が変わってくるんです。

先日も、専門学校側が学生に授業のアンケートを取って、そのアンケート結果を私たちに配るんですよ。「こんなこと書いてある!」とドキドキしたんですけれども、でもチラッと見ると、「自分たちで考える授業になっている」というようなことが書いてありました。

まさにファシリテーターですね、本当に。

そうですね。ただ教え込むのではなくて、一つのものを定義して、学生たちが考えて、そして自分の身になるように答えを見出してもらうようにしています。

「今はできないけれども、世の中がこうなったらいい」と思うようなものを考えて、とか言うと、すごく真剣に考えてくれますね。

その専門学校は、どのような学科ですか?

児童福祉と社会福祉ですね。それと児童虐待というような。
児童虐待は、虐待の難しい法律などを含む科目です。ですが、法律をいかに「生きる権利」「成長する権利」を守るというためのものにしていくというようなことを学びます。

ですから、学生にマッサージの話をすると(マッサージによるアタッチメントが親にとっても癒しとなることを踏まえて)「習いたい」と言いますね。

当協会の講師として登壇する講座ではどうですか?

そちらの部分では、毎回参加される方々から力をいただきますね。
その回その回、講座の教科書の大筋は外れないようにするのですが、その回ごとに参加された方々が持っているものをさらに「あぁ~、こうすればいいんだ!」というような「気づきの講座」にさせていただいているかな、と思います。

それは受講生の方が気づいていくということですか?
島田先生が気づくということですか?

受講生が気づいていきますね。 もちろん、私も恩恵をいただくのですが、受講生の方々がこの講座を受けて、次に何をやりたいか、というのを発見していただけるようなものにしたいなと思っています。

そこはおそらく、受講生の方にとっては島田先生が理想化自己対象であり、役割であるのでしょうね。

最後に、これから日本アタッチメント育児協会の資格取得を目指す方々に向けて一言お願いします。

子育てが楽しい社会になるお手伝い役になってほしいなと思っています。

そうですね。そこは本当に大事ですよね。
島田さんのその関わりというのは、多分ある種特殊な部分があるのかなと思います。
乳児院というのは)いわゆる一番深刻な現場ですよね。統合失調症のお母さん、その子どもの面倒を見るという場所ですよね。

そのような場での、アタッチメントや育児セラピストの広まりや、活用できたことは何かありますか?

活用というか、統合失調症の障がいを持っている方であっても、やはり全ての方がこの世の中で大切な存在だということは改めて実感するようになりました。

ありがとうございました。

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