なぜ、子育てに「アタッチメント」が
必要なのでしょうか
「子育ては、『いかにして良いアタッチメントを築くか』に尽きる」これが、わたしたちの信念です。
子育てに関係する知見は、臨床心理学や脳科学、教育学、社会学など、多岐にわたります。しかし、これらの学問分野を「子育て」という軸で解釈すると、すべては「アタッチメント」に行き着きます。
アタッチメントは、もともと、発達心理学という心理学の学問領域における専門用語で、イギリスの児童精神医学者ジョン・ボウルビー(John Bowlby)が、1960年代に「アタッチメント理論(愛着理論)」として提唱したもので、その後、メアリー・エインズワース(Mary Dinsmore Salter Ainsworth)の「安全基地」や「アタッチメントスタイル」などの概念によって、さらに構造化され、その後1980年代、アタッチメント研究は、メインやハザン、シェーバーなどによって大人にまでその対象が広げられ、精神医学や心理学分野だけでなく、保育や看護といった子どもに関連する分野でも、学ばれるようになりました。
子どもは乳幼児期に母親から無条件に受け入れられ、愛される経験を通して母親(主たる養育者)とのアタッチメントを形成していきます。このアタッチメントが子どもの人格形成の基盤となります。
子どもが心身ともに健やかに成長するための基盤となるのは、親との安定したアタッチメントです。アタッチメントは不安を抑制し探索行動を活性化し、 子どもに安心感を与え、自己や他者への信頼感をもたらします。 そして、ここで育まれた人格の基盤が、様々な能力や資質を育みます。
心が優しいこと、コミュニケーション力が高いこと、頭がよいこと、運動が出来ること、生活力があることなど、親が子どもに望むであろう資質は、すべて「いかなるアタッチメントを育んできたか」ということに関連付けられます。
これほどまでに子育てに重要であるにもかかわらず、「アタッチメント」という概念は、残念ながら正しく受け入れられていません。最近では、言葉としては耳にすることも増えてきていますが、単なる「愛情のやりとり」として表面的に捉えられてしまっているようです。
ですから、「本当のアタッチメントを正しく伝える」ことが、これからの「子育て」にとって最も重要であると、私たちは考えます。
では、「本当のアタッチメント」とは何でしょうか。
アタッチメントは、子どもの年齢や発達段階によって、テーマもその取り組みも変わります。その背景には、理論的な裏付けがあり、それに基づく営みによって、豊かなアタッチメント形成が成されます。
ですから、アタッチメント形成の知識を体系的に理解し、それを親に「正しく伝える」ためのスキルを身に付けた「育児の専門家」が、親に指南する必要があるわけです。
「本当のアタッチメントを正しく知る」ことによって、親は、子どもの中に豊かなアタッチメントを育みながら、自分自身も子育てを楽しみ、最高の子育てができるようになります。それだけではなく、親として成長し続けることが出来ます。
つまり「アタッチメント」は、子育てを通して親を成長させてくれるものであり、幸せを感じさせてくれるものであり、子どもの心を豊かに育み、その子の能力の無限の可能性を開いて、豊かに人生を送るための土台となる大切なものだと言えます。
そうした「アタッチメント」という概念の存在と、その役割を知って子育てをすれば、よりよい子育てができるだけでなく、(結果として)間違った子育てをしてしまわずにすみます。
「知識」だけでは子育ては、成立しません。しかし「知識」は、子育てを豊かにしてくれます。アタッチメントは、子どもの愛し方、育て方の原理原則を教えてくれます。それを知ると、子育ては、なんと楽しく、なんとたくさんの幸せをくれる営みであるのかに、気付くことが出来ます。
わたしたちは、それを親に伝える「アタッチメントの伝道師」として、育児セラピストをはじめ、ベビーマッサージ、発達あそび、キッズマッサージ、マタニティヨガ、食育、親子体操などのインストラクターを育成しています。
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