自尊感情を育むことに最も大切なのが「アタッチメント」

大学職員・元幼稚園教諭

今回の、講座は、長年幼稚園教諭として持っていた【あそび】についての考えを再認識する意味で参加させていただきました。 現場では、「今から○○あそびするよ~。」と活動が始まり、「たのしかったね。」と終了すると同時に子ども達から、「せんせい、いまからあそびにいってもいい?」という言葉が出てくる場面をよく目にしました。大人が「あそび」と言いながらも、「学習」の要素が入っていることを子ども達は見抜いているんだなと、心苦しく思った日がすくなくありません。

自分から「あそび」を見つけて友だちとあそぶ

ある女児(4歳児)は入園当初、保育室にたくさんの遊ぶコーナーを設定しているにも関わらず、「なにをしたらいいのかわからない。」と泣いて訴えました。子ども達にとって【あそび】って何だろう?幼児期に必要な【あそび】とは何だろう?という疑問がずっとモヤモヤとしたままでした。修了間近のある男児は、広い遊戯室の大型積み木だけで、4時間汗びっしょりになるまで遊んでいました。

始めは、3~4人の仲間だけだったのですが、次第に人数は増え、3歳児から5歳児まで(異年齢保育の時だったので)合計20人ほどが部屋いっぱいに積み木を広げて遊びを展開していました。それは、ある時は船になったり、遊園地になったり、ある時は、子ども達の秘密基地になったり、見る度に内容が変わっていき、どの子も目がキラキラしていたのが、今でも印象に残っています。いよいよ「帰るよ。」となった時、「たのしかったな~。」「また、しようね。」と自分たちで後片付けまできちんとこなしていきました。保育者は、時々、役にかんでみたり、危険なところは援助したりしましたが、殆ど自分たちで進め、よほど困った時にしか、「せんせい~。」と頼ってくることはありませんでした。

この中心となっていた男児は、普段から非常に活発な園児で、担任に叱られることもしばしばありました。しかし、いつも発想が面白くて、毎日楽しく遊んでいたと記憶しています。思い返すと、特に「おもちゃ」がなくても、友だちとイキイキ遊んでいました。先に述べた4歳の女児ですが、始めこそは、「これしようか?」と遊びに誘い、一緒に活動することで安定していましたが、一月もすると、「せんせい、あっちいっといて。」と自分から「あそび」を見つけて友だちとあそぶことを楽しむようになっていました。

幼児期にできる【あそび】とは、何なのか?

幼児教育は、木の根っこに例えられることがよくあります。それは、土台をしっかりとしておかないと、どんなにあとで、栄養を与えても、花が咲かなかったり、枯れたりしてしまうよということです。今回の講座も、同じように木に例えることができると思います。

【あそび】こそが木の根っこでその土台がしっかりしていてこそ、初等教育、中等教育、高等教育へとつながっていくということを改めて認識しました。幼児期にできる【あそび】とは、何なのか?それは、【体験】だと思います。色々な体験を通して、子ども達は、遊びながら学んでいくのです、「遊びから学びへ」と言われる所以だと思います。しかしながら、色々な体験をするためには、子ども自身が自分にも「できる」失敗しても「くじけない」「自分は受け入れてもらえる」という自尊感情が重要であると学習しました。その自尊感情を育むことに最も大切なのが学び続けている「アタッチメント」なのです。ヒトにとって「アタッチメント」がどれだけ大切なのか?講座を受けるたびに痛感します。身体への「アタッチメント」だけでなく、心への「アタッチメント」つまり、その人の心に「寄り添う」こと。現場で子育ての悩み等伺う機会が多くありました。そんな時、私は、「こうしたらいいんじゃないの?」というような子育てのアドバイスはしないようにしていました。なぜなら、本人はわかっているのです。ですから、「お母さん、頑張ってるよね。」「○○ちゃんすごく優しいところがいっぱいあるよ。」など、相談に来た保護者の頑張りを認めたり、その子どもの良い面を口に出して伝えたりしました。そうすると、皆さん「先生に話してすっきりした。」と気持ちよく帰られることがよくありました。

今後、幼児教育の現場では、「あそび」の重要性を今回の講義で学んだ内容を入れ込みながら、そして、アタッチメントの重要性も折りまぜて伝えて、子どもも大人も笑顔になる現場にしていきたいと思います。

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