発達支援の現場で感じた母子の関わり方への違和感
小崎康枝さん (居宅介護支援事務)
職業は、居宅介護支援事業所の事務職です。今年保育士資格を取得しました。将来は乳幼児の保育などに関わる仕事や活動に携わりたいと思っています。現在は、月に1、2回地域の子育て支援ボランティアに参加しています。
以前、私は行政の発達支援の仕事に携り、地域の就学前の親子や療育教室に通う母子と関わる機会がありました。その際、「あれ、(昔と)何か違うような?」と感じたことは、お母さん方の子への関わり方の不器用さや、傍観、言葉かけの少なさなどです。また、育児に対する戸惑い、不安、育児疲れの声も多くありました。
現在の子育て支援のボランティアでも、同じように感じますし、特に心配だなと思うことは、数年前に比べても、スマホやiPadなどのIT普及で、より「ながら育児」や「関わり不足な育児」が一般的にも日常や家庭内で、深刻になっているように感じます。
療育の研修で知った「愛着関係」という言葉とその重要性
私は、療育で発達専門の先生の講座で、初めて「愛着関係」という言葉を知りました。
そして、母子が肌を合わせ、目と目を合わせて、やさしい声でやさしく語りかけることがとても大切なことや、そこから母子(2者関係)の愛着関係がしっかり育つ、その後3者関係へ…それが指さしに関係しているなど、その講座の中で子どもの健全な発育には0歳からの愛着関係がとても大切だということを知りました。
0歳から3歳までの育児の在り方や環境が、その後の子供の発達や生涯にわたって影響し得ることを知って、「これは、大変だ!!」と自分の子育てを含めて強く感じたことを今でも覚えています。
また、発達障害は先天的な脳の障害と思っていましたが、ある本に「発達障害は予防できる(日常の母子の関わり方や環境により)」とあり驚きました。そして、どうすれば「予防」できるかをもっと実践的に深く知りたいと思いました。
もっと深く、もっと実践的に学んで、アタッチメント不足を予防したい
そんな中で、私は日本アタッチメント育児協会と出会いました。
貴協会でABMアタッチメントベビーマッサージ・育児セラピスト2級、AKMアタッチメントキッズマッサージそして育児セラピスト1級と学ぶ中で、その答えが協会の理論や教え、学び、活動にあると実感しています。
医療や介護に予防が重要視されるように、育児も「予防」に目を向けることが必要な時代になったのだろうと思います。まさに、貴協会のアタッチメント育児が予防育児を可能にすると確信していますし、これからもっと重要になっていくことだと思います。
昔のように、大家族やご近所、地域の大人が子どもを育てるということが自然とできた時代と違って、核家族化や社会のコミュニティの稀薄、女性や母親の労働などいろんな状況でのアタッチメント不足の可能性とその負の影響は、子ども、大人関係なく、誰にでもありうることであり、また、現実として周りにあるものとして、アタッチメントを意識しながら子育てをしていくことが必要だと今回の講座で改めて感じました。
そのためには、アタッチメントの大切さを一人でも多くの方に伝え、知ってもらい理解していただくことが重要だと思います。
アタッチメントで発達心理学を理解するというメタ認知
また、発達心理学から育児を学ぶことで、子どもについての「なんで?」や困りごとには意味があり、それにあった対処方法があることを知ることで、子どもの成長を楽しみながら育児ができることを、多くの方に知ってもらいたいと改めて感じました。
母父のみならず家族や祖父母、周りの大人がこの「アタッチメント育児の在り方や大切さ」を理解し育児や教育、日々の生活に活かされることで、「アタッチメント不足予防=幸せな子ども育成・幸せな親子、家族」や健全な社会に繋がると考えます。
今回の寺下先生のお話からもありましたが、正しい育ちに治すには3倍程の年月や労力を要するとのことでした。やはり、予防に勝るものはないと心から思います。
アタッチメント育児は、乳幼児期の関わりでは本当に特別難しいことはなく、「えっ、こんなことでいいの?」と思うくらい、わかりやすく誰でもすぐできる育児方法です。なおかつ親子が本当に幸せと実感できることが、学術的にも証明されています。だからこそ、多くの方に知っていただきたいと思います。
今回の講座では、メタ認知による理解と考察、それによる育児アドバイスが大切なことや、母性だけでなく父性も大切なことであり、父性の社会性形成についても学びました。
そして、お母さんのこころに寄添い、その母子をみて育児アドバイスし、お母さんが安心を得ることで癒されるようにする役目を担うことを学びました。
この学びをもっと深め、私はこれからもこの「予防=幸せな母子(親子)育成」を自身のテーマに、アタッチメント育児を継続して伝えていきたいと思います。
子育て支援の現場で学んだことを活かす時が来た
今年の6月より隔月で0歳児の子育て支援の場でふれあい遊びを担当させていただくことになり、ABMアタッチメントベビーマッサージも取入れ、アタッチメントの大切さをわかりやすく伝えられる内容を企画し伝えていきたいと思っているところです。
これからが本当の学びの第一歩と心から感じていますが、貴協会の理念と教えを軸に、少しずつですが母子との関わりの中で、経験を重ねながら、先ずは一人ひとりから癒しと育児アドバイスができ、信頼される育児セラピストとなれるように努力をしていきます。
そして、それが点から線へ、面へというようにアタッチメントの大切さを多くの方々に伝えられる人材の一人となりたいと思います。
廣島先生、協会の皆さま、講師の先生方、協会会員の皆さまとの出会いを本当に嬉しく思い、感謝しています。
これからも学びを深めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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